活動日誌

第2回 福祉×樋井川流域~インクルーシブ社会の実現に向けた共創の可能性~

2020.09.25

2020年9月25日、樋井川テラスにて、「福祉×樋井川流域」と題し、社会福祉法人葦の家福祉会(以下、葦の家)の西郷俊介さんより話題提供がありました。葦の家は、昭和60年、障がい者の共同作業所として開設され、現在は、グループホームや生活介護など様々な障がい福祉サービスを提供されています。

まず、障がい者福祉の歴史や制度・仕組みについて、詳しくお話がありました。1960年頃から障がいをお持ちの方も自立した生活ができるように「安心と安全の場」の提供から始まり、1981年の国際障害者年頃からは「仕事と活動の場」の提供に展開します。さらに、1995年の社会福祉基礎構造改革で、措置が見直され市場原理に基づくサービスとなり「学習支援や余暇支援」に広がり、2000年代には、障害者福祉法の改正や障害者権利条約批准などによって「コミュニケーション支援」へと展開してきたそうです。こうして、「施設の中・関係者の中で」完結していた障がい者の方への支援は、「地域」へ開かれていったそうです。

葦の家では、障がいをお持ちの方と地域とのコミュニケーションをとても大切に考えられています。地域の中で対話を進めていくと様々な活動に繋がっていくそうです。これは、草の根型の市民運動やまちづくりとよく似ています。

そして、障がいをお持ちの方との共生は、まさにインクルーシブ社会の実現です。価値観を揺さぶられても多様性を認め合うこと、寛容さを持つことなど、大切な社会の価値観を私たちに気づかせてくれます。私たちは、どうしても「わからないこと」には上手く接することができず、「こわい」とさえ感じることがあります。そこできちんとコミュニケーションを取りながら、価値観を変えていくことがとても大切だと言われます。「ふつうって何?」、「人それぞれでふつうは違うよ」ということにも気づかされました。

また、西郷さんは、福祉は制度的に未熟なところがあり、それは逆に「余白」があることだと言います。地域との共生を横軸に、障がい者だけでなく高齢者や子ども、生活困窮者などの福祉を縦軸に捉えることで、ダイバシティを認め合う新しい地域社会が構築できるのではないかということです。これはまさに共創による地域づくりの目指す姿だと思います。

樋井川流域が、このような価値観を共有できるエリアになるといいですね。